WBC、侍ジャパンの足を引っ張っているのは…「イチロー」

「ちょっとじゃないな。大いに不安ですね」
評論家の堀本律雄氏がこう言った。

今月５日に開幕するＷＢＣ第１ラウンドを前に最後の実戦となったこの日（１日）の巨人との強化試合で、
日本代表が延長十回にサヨナラ勝ち。試合後のお立ち台で「ファンのみなさんを元気にする試合をします！」と
川崎が絶叫していたが、こんな試合では誰も元気にならない。

決勝点はオビスポのワイルドピッチによるもので、塁上を埋めていた３人の走者はすべて四死球によるもの。
巨人の７投手からヒット７本、２点を取るのがやっとだったのだから、堀本氏のコメントも当然である。

ブレーキになったのはまた、イチローだった。原監督はこの日、打順を大幅に入れ替えた。不振を極めるイチローを
３番から１番に変更。２番と９番にともに実戦初先発の片岡と川崎を入れ、４番には村田を、稲葉は５番に下げた。
前日の西武との試合で機能しなかった（９安打２得点）打線にカンフル剤を打ったかのように見えるが、
実際の意図はまったく違う。

「いつものイチローに戻すためです」
試合前の篠塚打撃コーチの説明だ。要するに、イチローありきの打順変更。
イチローを復調させるためだけに、貴重な最後の実戦を使ったのだ。

しかし、それでもイチローのバットからは快音が聞かれない。この日も５打数無安打で、
宮崎での巨人との練習試合からこれで２３打数３安打、打率はついに．１３０まで落ち込んでしまった。
（中略）
「イチローが打てないことで、ほかの打者が力んでしまうのも心配です」（評論家の得津高宏氏）
いや、実際に前日の西武戦までの実戦５試合で打率．６１１とバカ当たりだった稲葉が、４番から５番に下がった
この日は４打数無安打。トップバッターとして好調を維持していた青木も４タコと精彩を欠いた。突然の打順変更、
それによって役割も変わり、少なからず戸惑いがあったのだろう。イチローの不振が打線全体に暗い影を落としているのだ。

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